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良質なリサーチ・クエスチョンとは?迫真性、挑発性、継続性がある問い。

デザイン学研究

ようやく、初回の研究計画のポスタープレゼンが終わりました。今回の取り組みの姿勢や効率化への課題、死ぬほど追い詰めるなどの身の入れ方など、様々な研究の基本動作・基本姿勢についての課題も見えてきました。

と同時に、最も刺激的なのは、やはり同僚のプレゼンからです。博士レベルの研究を情熱を持って全力で取り組む同世代のプレゼンを10名以上のテーマを聞きながら学べることは、それ自体、非常に深い価値があります。テーマの多様性もあれば、考える思考のパターンや表現の仕方を肌で感じられるのは、刺激にあふれています。

その中でも、やはり、パターンが見えてきますね。

大まかに言うと、色気じみてるなーというのと、堅実やな、これは素晴らしい(Excellent)と感じたものと、という3つです。

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『色気じみてるなー』と感じたプレゼン

このタイプは、アカデミックで魅力的なキーワードに惹かれて研究テーマを設定する傾向の強いものです。帰納的というよりは演繹的です。アカデミックな世界では、ハイ・コンセプトな概念が多いのが特徴です。その響きだけで人を魅了するような美しさがあります。それはもはや『アートの領域』、というものもあるでしょう。まるで文学を読んでいるかのような、そんな言葉の響きに目を奪われます。また、デザイン学科の傾向なのか、やはり『美意識』が高い人たちが多く、アカデミックでも魅惑的でうっとりするようなコンセプトやトレンディなキーワードに飛びつく場合が多く見られます。

トレンディなキーワードばかりが目立つ

トレンディなキーワードが目立つのも特徴です。AIやマシーンラーニング。これらはトレンディであるがゆえに、リサーチの歴史もまだ浅いです。概念を定義するだけでも一苦労なのに、これに加えてアカデミックな魅惑的な言葉をかけ合わせてしまうと、もはや大変なことになります。

キーワードが多すぎてわからない。

そして、キーワードを重ね合わせてしまうと、もはや自分でも何をやっているのかわけがわからなくなるでしょう。文献研究の幅も膨大となり、このペースでちゃんと3年で書き上げられるのか、見ていてこちらが心配になります。先生も、もっと厳しく指導してあげればいいのに、とすら思います。

悪いとは言わないのですが、このまま行くと、博論として科学的な貢献にいきつくのだろうか、と見ているこちらが少し怖くなってきます。

『堅実やな』と感じたプレゼン

これは最も手堅いパターンです。色気よりも、確実に研究成果を上げたいタイプに見えます。

おそらく教授からのトップダウンが強い

優秀な学生ほど、教授に気に入られて囲われています。おそらく先生からの意向が強いのでしょう。基本的には自由に研究テーマを決めてかまわないのですが、やはり指導教授の興味関心の高い内容に寄っていく傾向があります。

テーマの妥当性が明らか

当然、それは学術的に洗練されたテーマである場合が多く、したがって、ヒットになりやすそうです。

ただし、これはこれで、思考停止になってしまい、Excellentのパターンにあったような、問いの洗練を怠ると、妥当な博士論文で終わってしまいそうです。

『Excellent』と感じたプレゼンは?

あくまで個人的な感想ですが、以下の3つを感じられたプレゼンは、『Excellent』と感じました。迫真性、挑発性、継続性、とでも名付けておきます

(特に参考文献があるわけではないのであくまで今回のプレゼンを経た私の主観で名付けました)

迫真感がある。

本当に価値のあるテーマは、迫真感があるな。これが率直な感想です。思わず読み勧めたくなる論文、今からでもリサーチのプロセス、そして結果がとても楽しみで聞いていてワクワクするものです。

迫真感というのもいくつかのレベルでそろっています。

  • 学術的な迫真感。
  • 社会からの要請へ迫真感。(国レベル、世界レベル、地球レベル)
  • 基礎研究からスタートして応用、発展の可能性がある迫真感。

これはもう、Excellentと感じました。

挑発性がある。

一見、当たり前になってしまっている概念に、再考するきっかけを与える(=一石を投じる)問いになっています。

問いの投げかけ方、フレーミングの仕方の妙。

これは問いを投げかけられた瞬間、思わず唸ってしまします。。

概念の結びつけ方、階層の付け方、そして結びつけ方と、関係性の構築の仕方がとてもうまい。うーんなるほど、そう捉えると面白いね。っていう光の当て方がうまい。

とてもProvocative.

継続性がある。

そして、最後は継続性です。この問いを投げかけたあとに開けてくる研究活動のその先。これが見えます。基礎研究から始めて、応用研究、臨床研究へと研究が発展していく様が容易に想像できます。そして、さらに横展開ができて、さまざまなステークホルダーを巻き込むこともできるかもしれない。

別の言い方をすれば、とてもリーダーシップのある問いです。これはもう、Excellentです。

関連記事>>研究テーマの育て方 -研究テーマ設定の時点で『育てること』を強く意識すること-

はて、自分は?

自分のテーマは、『堅実な』に位置づけられそうです。やはり、実務家上がりということもあるので、テーマの現実感はある程度あると思っています。また、テーマの設定自体、指導教授の研究領域をスタートにして展開し始めているので、ヒットは狙いに行っている自覚はあります。

しかしながら、反省点もあります。

もう少しアカデミックに冒険してもいいのではないか。

また、問いの立て方次第でもっと魅力的になるのではないか。

リサーチデザインの際に、自分にブレーキをかけていないか?

こういった点が反省点として上がってきました。

せっかく博士課程で研究に臨むなら、やはりExcellentに持っていきたいですよね。

問いの立て方とリサーチデザインの仕方次第では、着実なからExcellentに化けることができるかもしれません。

今回、Excellentと感じることができたプレゼンに出会えたこと、そんな同僚と一緒に学べることが幸せに感じます。

自分もそこに持っていけるかどうか、それはもう彼ら彼女らと切磋琢磨しながら自分を磨くしかありませんが、少しでも近づけるように頑張ろうと思います。

Ciao grazie!

 

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