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[ミラノ工科大学流研究の極意]人類の知識に貢献するか、世界を変えるか

デザインスクール

研究計画を考え始めて、数ヶ月が経ちました。

博論を仕上げるまでの全体像を描いて、ポスター形式にまとめあげて、プレゼンテーションをするという課題がでました。

リサーチの目的から始まって、問い、リサーチメソッド、そして期待される効果など、しっかりと科学的な論文としての基礎を作り上げていきます。

これは基本的な研究者としての所作を学ぶ上で、とても効果的だと感じます。

とてもオーソドックスなやり方に見えるこのポスタープレゼンですが、『ミラノ工科大学流』では、とても驚くことがありました。

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研究初期から見据える、研究の発展型の未来。

それは、いまこの段階で、その研究内容での『博論を仕上げたあとの発展型の未来をロードマップとして描きなさい』、ということです。

これは、正直言って、かなりのチャレンジにも思えます。

学生目線で言えば、半ば悲鳴が上がるような話です。

『博士論文を仕上げるだけでも大変。。最も大切な問いの設定すらまだまだままならないのに、その先の発展型を描けって、、鬼だ!。』

こんな声が上がってきそうです。

博士論文の研究では、基本的にその学問の分野で『新しい知識』を創造することが求められます。しかも、その知識が科学的に証明され、reliable(信頼性のある)方法に基づく知識的な主張となっていなければなりません。

よくサイエンスコミッティでの指摘としてあるのが、次のような指摘です。

「君のコミッティへの新しい知識の貢献は何か?」

「それはどのような科学的根拠に基づくのか?」

「なぜ、その知識が重要なのか?」

最悪の場合には、「それは君の単なる意見ではないのか?」とか言われて泣き出す人もいたりします。。

こういった質問が、四方八方から投げかけられます。

これらの質問に耐えてこそ(defense ディフェンスと言われたりもします)、新しい知識の創造ができる博士=研究者としてみなされるということです。

たくさんの先人の人類の英知が詰まった、サイエンスコミッティを前に、新しい知識を生み出す問い(=リサーチクエスチョン)を立てること自体、相当に大変な営みであります。

が、その先の未来をロードマップとして描きなさい、というのです。大変でないはずがありません。

3つの未来の型:基礎学術研究か、ヨーロッパのファンディングか、それとも起業か?

流石に教授陣も、そこまで鬼ではありません。「発展型の未来」にもの型はあります。3つの型です。①基礎学術研究、②ヨーロッパのファンディング、③起業、この3つです。

①基礎学術研究

これは、最もオーソドックスなものになります。とはいっても、かなり難しいには変わりないのですが。。

  • 当該学問分野のうち、非常に新しい知識であり、重要ではあるが、まだファイナンスがつきにくい研究分野。

このような分野での知識貢献を目指す場合のロードマップを描くことになります。

②ヨーロッパのファンディング

これは、研究者としては、最もチャレンジングな領域になります。

  • ヨーロッパ内の大学や研究者と、学際的なコラボレーションを想定し、ヨーロッパの機関からファンディングを得る研究分野。

これは、もう聞いただけでエキサイティングですね!ヨーロッパには、イタリアという単一国家だけではない、科学研究費があります。Horizon2020というプログラムがこれまでだったのですが、それが名前を変えて継続することになります。

このヨーロッパ全体でプールしている研究資金を獲得し、成果を出すための戦略を描くということになります。

③起業

これは、研究者というよりも、起業家になりなさいということです。

  • アイディアをすぐに事業化できるようなものであるならば、テストして、マーケット・インできるような研究分野。

特に、デザイン学研究科ならでは、というテーマかもしれません。アイディアを形にすることが一つの特徴である、デザイン学では、こういった事業化に結びつく研究ということも決して珍しくはありません。この場合には、どうやって事業にするのか、という起業計画が視野になります。

人類の知識に貢献するか、世界を変えるか

このような強いメッセージが感じられる、ポスタープレゼンテーションです。

単に博士論文を仕上げるだけの意識から、一段と目線を高めさせられる(姿勢をしゃきっとさせられる)ような内容です。

私も創造力と想像力をフルに活用して、ロードマップを検討していきたいと思います。

Ciao grazie!

 

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