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『共感デザイン』とは何か?アアルト大学デザインスクールのデザインリサーチと実践を通じて

デザインスクール

アアルト大学のデザインスクールのヘッドを務めるTuuli Mattelmäki教授が、User Centered Innovation (ユーザー中心イノベーション)の講義にゲストで来られました。

『共感デザイン』のアプローチが、アアルト大学のデザインリサーチャーの研究と実践の活動の中で、どのように発展してきたか、講義がなされました。

共感デザインとは何か、その可能性や今後の展開を理解する上で、非常に示唆に富みます。

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『共感デザイン』とは何か?

共感デザインは、1997年にハーバードビジネスレビューのLeonard and Rayportのペーパーが原点にあります。

The techniques of empathic design-gathering, analyzing, and applying information gleaned from observation in the field-are familiar to top engi- neering/design companies and to a few forward- thinking manufacturers, but they are not common practice.(Leonard and Rayport,1997)

要約すれば、共感デザインの手法は、『現場の観察から得た情報を収集し、分析し、応用する』手法です。

この論文を機に、市場調査とは異なるリサーチ手法としての『共感デザイン』の研究と実践が発展していきます。

マーケット調査が製品開発の根拠の拠り所とされていた時期に、それとは異なる情報の取得・分析、応用の仕方に注目が集まりました。

Empathic-design techniques can’t replace market research;
rather, they contribute to the flow of ideas that need further testing(Leonard and Rayport,1997)

4つのセンシティビティ(感受性)

その後、世界的な『共感デザイン』の進化と並行して、Aalto大学で理論と実践を通して、『共感デザイン』は進化を遂げていきますが、とりわけ、示唆に富むのは、4つのセンシティビティ(感受性)についての考え方です。(Mattelmäki, Vaajakallio, Koskinen,2013)

『人間への感受性』『デザインへの感受性』『技術への感受性』『連携への感受性』の4つです。

• Sensitivity toward humans: gathering inspiration and information about and making sense of people and their experiences and contexts;

• Sensitivity toward design: seeking potential design directions and solutions and posing “what if” questions;

• Sensitivity toward techniques: application of generative, prototyping, and visualizing tools to communicate and explore the issues, and;

• Sensitivity toward collaboration: tuning the process
and tools according to co-designers, decision-makers, and organizations alike. (This layer is particularly meaningful beyond the traditional design realm,
such as when design is acting as a moderator of change). (Mattelmäki, Vaajakallio, Koskinen,2013)

このアプローチは、デザインが、『感受性(センシティビティ)』を重要視する営みであることを端的に表しています。

近年、左脳的なロジカル思考だけではだめで、右脳的な感性的な感受性がイノベーションの創造においても重要視されるようになってきています。

そもそも、なぜ『感受性』が重要なのか、その原点の一つは『共感デザイン』にあります。

この発展の歴史と今後の展開も非常に広がりがある世界で、ワクワクしますが、今日はこのへんで。

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共感デザインと参加型デザインは、欧州で出会い、進化を遂げています。
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ciao, grazie!

 

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