非常にストレートな素朴な疑問がタイトルです。
チューターを開始して2回目の講義。今回もまた異なった視点で授業を観察していました。
∞前回の1回目はこちら∞
海外博士課程のチューターというお仕事
学生として授業を聞いていると、当然ながら、授業の内容に集中していますが、この「チューター」という非常に中間的な立場では、見えてくる世界が違うものです。
目次
モデレーターとしての役割
チューターは、主担当の教員と学生の間のモデレーター(調整役、司会進行役)のような振る舞いを求められます。
今回はゲスト講師として、外部の実務家の先生をお招きしていましたが、そんなとき、チューターは先生の紹介をしたり、学生の学びの意欲を高めるべく、場を盛り上げたりします。
特に、コロナ禍の中で、オンライン授業のような状況では、このモデレーターとしてのチューターの役割は欠かせません。
ゲスト講師は、始めてこの場に来て、温度感が分かりません。何より、生徒の顔が見えないので、反応も薄く、非常に不安になりがちなようです。
一方、生徒のモチベーションも様々。カメラをオンにしてスタンバイする学生もいれば、反対に、遅刻してくる人も当然います。
こういう中で、チューターが場をとりもち、先生にとっての不安感を下げつつ、学生のモチベーションを上げるような仲介的な役割はとても大切だと感じます。
休憩に入るかどうか、民主主義で決めようとした場面で、こんなジョークを言って場を盛り上げたりもしていました。
「Lets disconnect to see how many of you are really here or fainted!」
これも、イタリア人ならではの気の利いたコミュニケーションだと思います^_^
大学での授業設計の裏側はどうなっているのか?
そして、ふと素朴な疑問がわきました。こういう一コマの授業の設計の全体像ってどうなっているんだろう?
これは今まで考えたこともないような疑問でした。
授業のカリキュラムを設計すること。
それは、博士課程を出たあとに、教員として活動をする場合には、必須のスキルになってくるはずです。しかしながら、特に博士課程のカリキュラムの中でこれを学ぶことはなさそうです。(大学によってはあるのかもしれないし、選択科目であるのかもしれませんが。。)こういったチューターでの経験や、博士終了後に、オンザジョブトレーニングで学ぶことが多いのでしょうかね。
こんな本がありました。これは参考になりそうです。
一番知りたいこと!予算は?
大学の授業設計で一番気になること、それは、予算です。
1セメスターの授業を設計するとき、予算配分はどうなっているのでしょうか?
ふと考えてみると、ある授業は、外部講師を招いたり、クライアントを招いたり、と大学以外の関係者からの協力によって成立していることに気が付きます。
当然、教授がすべての授業を担当して、全10〜15コマをみっちりと教えていく、というスタイルの授業もあるでしょう。しかし、こういったインターナショナルで、学際的、プロジェクトベーストラーニング(PBL)のようなタイプの講義では、一方的に教授が知識を共有する、ということはほとんどありません。
こういう場合、教授はむしろ、講義内容の質や教育方法というよりも、むしろ、外部講師を招いたり、資金を調達したりと、企業でいう営業活動的な能力の方が重要なのではないか、と感じられます。
当然、大学のカリキュラムなので、基本となる予算配分はある程度あるのでしょうが、それを更に良いものに磨き上げていくためには、「ネットワーキング」や「ファイナンシング」が必要なのではないか、そう感じながら授業を受けていたのでした。
Ciao Grazie!
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