先日、一橋大学商学研究科MBAの方々が日本からミラノを訪れました。
その際、とてもありがたいことに私の在籍しているミラノ工科大学デザインスクールとの交流会が設けられ、私はスピーカーとしてお話させて頂きました。
MBAを卒業した後も、このように現役の方々や先生方と交流の機会を頂き、本当にありがたく、幸せなことです。
お話させて頂いた内容は、デザイン思考や戦略デザインとイタリア流デザインアプローチのエッセンスについてです。
中でも特にご質問やご意見を頂き、大変勉強になったことをご共有させて頂きます。
目次
日本のデザイン/イタリアのデザイン
「日本のデザインのイメージは、イタリアから見てどう映りますか?技術力が高いイメージがあり、一方で、長い歴史や独自の文化がある日本だと思いますが、どちらの印象が強いのでしょうか。」
→こちらはCabirio先生からご回答いただきました。
「やはり、技術のイメージが強い。日本のデザインは、『エンジニアリング・ドリブン』の印象を強く受ける。技術力に優れた大企業が多く、技術力を優位に産業をリードしてきた。一方、イタリアは『デザイン・ドリブン』が強い。建築家の長期的・戦略的視点とデザインの長い歴史と多様性がイタリアのデザイン産業を牽引してきた。」
→私の感想ですが、なるほど、確かにイタリアの先生から見てもこのように映るのだなと思いました。日本は技術力だけでなく、多方面での豊かな文化や独自の歴史があります。その点で、私はイタリアと日本は潜在的には非常に似ており、イタリア流のデザイン・ドリブン・イノベーション、あるいは意味のイノベーションは日本でも非常に可能性に満ちていると思っています。しかしながら、実態としてはやはり技術に依存した『エンジニアリング・ドリブン』の国に映るようです。ここは今後のチャレンジとして、非常にポテンシャルが高いと思いますし、私自身挑戦し続けたいことです。
イタリアンデザイン
イタリアの強い産業を表す言葉として、『イタリアの4F』という言葉があります。
いかにも日々の生活を楽しく、豊かに暮らしたいというラテン系のイタリア人らしい4つだなぁと思っているのですが、みなさん、どう思いますか??
1. Food
パスタ・ピッツァを基本に、日本でも馴染みの深いイタリア料理。イタリア人もその多様性と長い歴史には非常に誇りを持っています。まだまだイタリアには日本人に知られていない沢山の料理があるんですよ!
2. Furniture
ミラノ国際家具市に代表されるように、イタリアは特に家具が世界的にも有名です。この時期は、家具市だけでなく、照明など、ありとあらゆるデザインがミラノの町を彩ります。世界的にみてもこれだけ町全体がデザインに染まる都市は他にはありません、とのこと。
3. Fashion
家具市に並び、Fashion Weekがあり、常にファッションとトレンドを発信しています。
4. Ferrari
最後のFは、なんとFerrari。四段落ちか!と思いましたが、こういうストーリーやユーモアを大事に良さを伝えるところがなんともイタリア人らしいです。しかも、皆が聞いて納得できるのではないでしょうか。
イベントの後も、交流させて頂いた学生の方々から沢山のご意見や嬉しいお言葉を頂きました。本当に感謝です(^_^)
最後は、みなさんと撮った記念写真です。先生方を差し置いて真ん中に座らせて頂くなんて、大変恐縮・・・と思っていたら、今回のスピーチをサポートしれくれたコロンビア人の友人が、”Oh, Thank you, thank you!!”と全く日本的しきたりを無視して座ったことに爆笑しました。
Ciao ciao!
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