在宅やリモートワークが増えて、オンライン会議などが増えてますよね。
会議は少しずつ慣れてきた!
という今日このごろ。それににしても、もういっこハードルが高いな、という話も出てきているように感じます。
それは、「オンライン・ワークショップ」です。
「オンラインで、ブレストってどうやって?」
「アイディアをどうやってまとめ上げれば?」
「ファシリテーションが難しい。。」
通常の会議と違って、様々な調整や統合、場合によっては、場の熱量な一体感、なんかも求められてくるワークショップでは、オンラインでは不向き、というような感覚もありそうです。
実際に、「デザイン思考」なんかでは、ポストイット等を使ってワークショップをすることがあります。そこまででなくても、いろいろなワークショップやブレインストーミングのセッションでは、やはりみんなで集まってワイガヤでやらないといいアイディアなんて生まれてこないのでは、という感覚もありそうです。
そこで、今回の記事では、筆者の実際の体験をもとに、オンラインワークショップで「意外といける」「やっぱりきつい」というお話をお伝えしたいと思います。
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目次
オンライン・ワークショップ体験:3大陸間(時差)+初対面+超抽象的テーマの間で。。
僕のオンラインワークショップ体験は、非常にチャレンジングな設定でした。
PhDコースのサマースクールで、5日間に渡るグループワークでした。
(大学側は、このためにウェブページを作るほどの気合の入れようでした。
http://phd.design.polimi.it/phd-summer-school-2020/#programme)
大学も、所属のミラノ工科大学だけでなく、イリノイ工科大学、カーネギーメロン大学、アアルト大学、インペリアル・カレッジ・ロンドン、デルフト工科大学のそれぞれのデザインスクールから、総勢20人強のPhDの学生が4チームを編成しました。
大変なことはこんな感じでした。
時差がハンパない。
まず、時差がやばかったです。
アメリカとイタリアの学生が多かったこともあり、コースそのものが両大陸の時間に合わせて行われてました。
日本にいた僕はマイノリティ。22時〜26時までの時間に5日間の集中講義があり、その後、各グループでそれぞれマイクロソフトteamsを使って、各グループの部屋で議論をします。
24時間フル稼働です。まさに。
メンバーが初対面
そして、初対面です。ぼくのチームは7人。アメリカから2人、イタリアから3人、トルコから1人、日本から1人で、他大学の人はみな初対面でした。
ワークショップでは、やはりチームワークが大切。まずはアイスブレーキングを。
それもオンラインでやります。
ここでMIROが大活躍。
それぞれの好きなものを挙げて、共通点と違いを共有しました。こんな感じ。
みんな、ピザとコーヒー、それからNetflixが大好きなのね。といいながら、アイスブレーキングをしました。
抽象度の高いテーマ
なんといっても、今回の大変さを際立たせたのが、その抽象度の高いテーマ。各チームにそれぞれテーマが出るのですが、僕のチームは以下のテーマでした。
「Human Responsibility on the world ecosystems」
直訳すると、「世界のエコシステムズについての人類の責任」について。
ひょえー。抽象度たか。そんな悲鳴が心にムンクの叫びばりにあがります。
そして、そのためのデザインの役割とはなにか?
デザイン学PHDらしく、やはりデザインの役割が語られます。
(デザインというと、色や形などの議論が多いように思いますが、デザイン学の世界では、デザインというと、非常に大きな意味、解釈がされています。)
これらの環境の中、オンラインワークショップが5日間に渡って開催されました。
意外といけたところ。
一言でいうと、オンラインワークショップは、完全にいけます。
できない、というふうに思ってしまうのは、今までの先入観や過去の習慣が強いからだと思います。
その環境でしかできないという、前提条件があれば、人は工夫して議論し、ちゃんと課題に対して時間を効率的に使い、アウトプットをまとめ上げることができました。
これはどのチームも共通です。
しかも、アウトプットのクオリティも高くできます。
なので、はじめから「できない」と考えるのではなく、「どうやったらできるか」(デザイン思考では、「How Might We(HMW)」)の精神でチャレンジする精神が大前提で大切です。
(もちろん、今回の参加メンバー全員が、デザイン学のPhDの学生だったこともあり、そのあたりの精神は深く共有されていたことが前提かもしれません)
特筆すべき点① 好きな時間でできる
特筆すべきは、時差があるものの、オンラインなので、自分の好きなタイミングで、じっくりと考えることができます。
通常の相対でのワークショップだと、時間を共有しますので、論が空中に浮いてしまったり、発言する人としない人がでてしまったり、意外と無駄な時間なども(チーム全体の時間を100と考えると)あるように思います。
一方、それぞれが好きなタイミングで議論に参加できるので、考える時間とシェアする時間など効率的に時間を活用できたように思います。
特筆すべき点② 記録をデジタルで残せる。ホワイトボードのスペースを気にしなくていい。
アイディア出しや統合も、MIROを使えばできます。
オンラインなので、スペースを気にせず記録できます。こんな感じ。
通常のWSだと、ホワイトボードのスペースは限られています。書いたり消したりします。すると、さっき書いたのなんだっけ?って忘れたりしたり、過去の議論を忘れてしまったりする場合もあります。
でも、オンラインだと、そんなことはありません。これは大きな利点に感じました。
思考も深まっていく感覚があります。むしろ通常のWSよりも様々な議論が促進される可能性があります。
それでもやっぱりしんどい点。
全般的に、オンラインワークショップはできるじゃん、という感想ですが、それでもやはりしんどかった点はあります。
しんどい点:図や絵が書きにくい。
文字でのコミュニケーションは比較的容易ですが、絵がかけません。
ワークショップで起爆剤になる一つは、やはり絵や図の力でしょう。
それによって、意見がでやすくなったり、思考が膨らんだり。そんな経験はWSを経験された方ならあるかと思います。
それがいまのMIROではまだまだしにくいです。
でも、これもアイパッドなどを使えば、もっと楽にできるようになるかと思います。設備導入の課題はありそうですが。
ということで、僕の今回の体験は、相当大変な環境のオンラインワークショップでしたが、意外といける、ということです。
今後も色々な形で進化が期待されるオンラインWS。
大切なのは、まずはハートから。意外とできるじゃん!っていう気持ちのほうが大切かもしれませんね。
Ciao!Grazie!
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