今大人気のの韓国ドラマ「愛の不時着」を夫婦でイッキ見しました^^;
これまで韓国ドラマといえば、2002-3年ごろ韓流ブームの火付け役となった「冬のソナタ」を当時どはまりしていた母親に付き添って横でながら観していた程度だった僕ですが、今回は、なんと自分がハマってしまいました。^^;
Netflixでも「鬼滅の刃」を超えて日本でも人気No1になるほどの流行ぶり。
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コロナ禍の中、我が家のエンタメといえばNetflixとなっていましたので、なんとなく見始めたのですが、止まりませんでした汗。
見終わったあとの余韻も冷めやらぬ感覚です。どうしてこんなにハマったのか、妻とも話をしているのですが、ちょっとおもしろい視点も見えてきたので、感想と合わせて書き残しておきます。
目次
魅力の秘密1 韓国らしさを大切にしたストーリーと脚本
主演俳優の豪華さや演技力は言うまでもないのですが、ここでまず特筆すべきは、ストーリーと脚本です。特に、「韓国らしさ」を大切にした内容になっています。
もっと言えば、このストーリーは韓国か北朝鮮にしか作れない内容になっています。
舞台が南北朝鮮。その間の38度線を事故によって超えてしまった韓国の財閥令嬢のユン・セリと彼女の不時着を発見した北朝鮮の軍人リ・ジョンヒョクの愛の物語。この設定自体、韓国にしか描けない内容になっています。
この韓国らしさについては、韓国のエンタメ業界として戦略的に選択されているような印象的なコメントもありました。
「韓国コンテンツが米国と似てきては絶対にいけないと考える。韓国ドラマらしい香り(flavor)があるが、それをなくしたら終わり」(ドラマフィーバー・パク・ソク代表)
そして、ラブストーリーの王道ともいえる「ロミオとジュリエット」のストーリーラインは外さずに、観る視聴者たちを惹きつけます。
魅力の秘密2 大胆な上映時間と細部までこだわった演出と表現
大胆な上映時間。これは1話約1時間半程度と時間を贅沢に使っています。日本のドラマでは大体50分程度ですから、1話が1.5倍〜2倍の見応えとなっています。全16話という長さも十分ですね。まる一日かけないと見きれない長編です。大河ドラマほどではないので、週末になんとかイッキ見できてしまうレベルの最大のエンタメと言えるでしょう。見るぞっていう覚悟がないと、簡単にみてはいけません(笑)
そして、細部までこだわった演出。時間が十分にあることもあってか、演出と描写が細部にまでこだわっています。
映像的な演出などは最新技術を使っているでしょうが、特に面白いなと思ったのは、ダブル主演の4人以外の人物にまで、光が十分にあたっているところです。一緒の部隊の隊員たちや、村のおばちゃんたち、ユン・セリの家族までかなり詳細に描写があります。
物語を盛り上げるためには、主演だけでなく、名脇役の存在もとても重要です。ですが、通常ドラマでは脇役の人生にまでスポットが当たることは極めて稀だと思います。
そのことによって、主演の二人とそれからもう二人のダブル主演のメインストーリーに奥行きと深みが出てきます。
魅力の秘密3 最後まで読めない結末
そして最後は「最後まで読めない結末」です。
結末は、大きく言えば、ハッピーエンドになるのか、またはバッドエンドになるのか、、でしょう。
恋愛ものはやはりハッピーエンドになってほしいという視聴者の希望もあるでしょうから、最後はきっと幸せになるんだろうな、このあたりまでは予想できます。
しかし、どのような幸せ像になるのか、それが全く予想できないのです。最後まで。
だって、リ・ジョンヒョクが南に行くのか、ユン・セリが北にいくのか、、どちらかしか幸せの道はないではないか。。。でもどうやって?そこには不幸も妥協もつきまとう。では、それ以外のシナリオが。。?
これはもう、見だしたら止まらないですね!
スタジオドラゴンは売上高史上最高
不要不急の外出ができず、エンタメ業界の冷え込みが訴えられて久しい社会状況ですが、中にはこの状況を追い風として過去最高の売上高を叩き出すエンタメ会社もあるという事実に、驚きを隠せません。
やはり基本的なマーケティング戦略を、どの盤面で見て、描くのか。グローバルな視座でものづくり・コンテンツづくり・サービスづくりが大切だと思わせてくれますね。
強みを活かしたグローバル・マーケティング戦略
視聴者をとらえてやまないコンテンツと、実際にビジネスとしても大躍進をしている韓国ドラマ。その背後には、韓国の強みを活かしたグローバル・マーケティング戦略がありそうです。
初めから世界市場を視野
韓国の場合、最初からドラマをワールドマーケットに出す、あるいは東南アジアに販売する、ということがビジネスの戦略として想定されているようです。
韓国の場合、20話のドラマをワールドマーケットに出す、あるいは東南アジアで販売して、何億かの売上げが出る。だから主演の俳優には1話3000万円ベースからギャラを提示することが出来る。イ・ビョンホンクラスになると1話あたり1億円払える
この意識は、そもそもコンテンツ制作全体の方針を決める上でも非常に大切な目線です。なぜなら、世界を狙って、収益が十分にあげられる見込みがあるのとないのでは、かけられる制作費や演出のディテールまですべて変わってくるからです。
ロマンチック・コメディに特化
また、どうもジャンルとしてはロマンティック・コメディが多いな、という印象の強かった韓国ドラマですが、やはりその背後には戦略があるようです。
「この頃の若い世代は、以前とは違って多文化・多言語環境の中で育った」として「多様な文化コンテンツを渇望するこの世代は、独特のストーリーラインを備えた韓国ドラマに熱狂する」と話した。「特にロマンチック・コメディを見れば(ほかの国のドラマは)比べものにならない。韓国の独壇場だ」(ドラマフィーバー・パク・ソク代表)
初めから世界を見据え、かつ、自分たちにしか出せないフレーバーとはなにかを突き詰め、勝てるところに集中投資して、勝つ。
韓国ドラマのグローバルマーケティング戦略から学べることがたくさんありそうです。
Ciao,grazie!
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