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日本に世界の眼差しを

日本にデザインが根付くには、企業がどうこう頑張っても難しいのではないか、という話。数ある大企業が経営戦略で掲げて、企業側の努力でどうこうなる問題でもない、と。

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目次

イタリア社会に根付くデザイン

イタリアで生活や社会に深くデザインが根付いていると感じるのは、やはり生活者がデザインを知っている、というところにつきる。

町中のキオスクにですらインテリアの雑誌が溢れていたり、建築物にアートがあったりと、生活におけるデザイン/アートの浸透度合いが全然違う。

このレベルになるためには、企業レベルの努力でどうこうなる問題ではなく、街や政治をあげての活動から、生活者にデザインの意識が根付いていかないといけない。

どうやって日本にデザインを根付かせるか

そのためには、国内だけでやってもしょうがなく、海外から日本に目線が向くことが大切ではないかと。海外から日本に目線が向くことで、逆に日本の生活者がそれに自覚的になる可能性がある、と。

ミラノ・サローネの歴史的変遷から、ミラノ市が、如何にしてステイクホルダーを巻き込み、世界的に有名で実力のあるデザインイベントとして育て上げてきたのか(あるいはそう育ったのか)を知ることは、一つの重要なベンチマークになる。

ミラノ・サローネは毎年世界各地から人々がミラノに訪れる家具デザインの祭典。もともとは家具がきっかけでスタートしたイベントだが、現在では、街を上げてのデザインイベントである。エリアも幾つかに分かれていて、本当に街全体が美術館のようになる。
家具がきっかけだったが、現在では、家電や自動車、素材メーカーなど世界各国から大企業・中小企業問わず出展している。

日本では、東京に近い場所に、そういった都市を作ることが面白い挑戦ではないか、ということで妄想していた。地元の栃木県なんか、実は立地的にはいいのではないかと。
しかしながら、栃木県はそれほど強い政治力もなければブランド力もない。どこから手をつけていいやら、、という風にいつも頭を悩ますことになる。

一方、富山県がデザインに力を入れており、ミラノにあるトリエンナーレ美術館でも県をあげて出展していた。とても驚いたが、日本の一つの県が世界に向けて情報発信している素晴らしい事例をみた。富山県の伝統工芸品を展示するのがメインであり、世界各国の人々が珍しそうに工芸品に眼差しを向けていた。

デザインの社会への浸透を目指す上で、こういった目線をもって活動することは大切だと思った。街を上げてのデザイン活性化戦略。市民の目線を世界に向けるための戦略。

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